建設業許可が必要なケースとは?基準とポイントを簡単解説
建設業を営む際に、「建設業許可」が必要になるケースと不要なケースがあることをご存じでしょうか?これは、事業規模や工事内容によって異なります。本記事では、建設業許可の必要性について分かりやすく解説します。
建設業許可が必要なケース
建設業許可が必要になる主な基準は、工事の種類とその金額です。建設業法では、以下の条件に該当する場合、許可が必要とされています。
工事の種類
建設業許可は、建築工事や電気工事、土木工事など29種類の業種ごとに必要です。それぞれの業種で許可を取得しなければ、その工事を請け負うことはできません。
工事の金額
原則として、次の場合に建設業許可が必要です。
- 建築一式工事の場合:1件あたりの請負代金が1,500万円(税込)以上、または延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事
- その他の工事の場合:1件あたりの請負代金が500万円(税込)以上
これらの基準を超える工事を行う場合、建設業許可を取得しないと法律違反となり、罰則の対象となります。
建設業許可が不要なケース
一方で、建設業許可が不要なケースもあります。以下の条件に該当する場合は、許可を取得しなくても工事を請け負うことが可能です。
請負代金が基準未満の場合
建築一式工事が1,500万円未満、またはその他の工事が500万円未満である場合。
自社の社員や施設内での工事
自社の建物や設備を修繕・改修する場合は、許可は不要です。他社からの請負ではないためです。
軽微な作業のみの場合
例えば、簡単な修理や清掃など、工事とはみなされない作業は許可を必要としません。
許可を取得しないリスク
では、許可が必要な工事を無許可で請け負った場合はどうなるのでしょうか?
以下のようなリスクが生じます。
法律違反による罰則
建設業法違反により、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
信頼の低下
無許可での営業が発覚すると、取引先や顧客からの信頼を失い、事業運営に大きな影響を与えることになります。
契約トラブルのリスク
無許可で締結した契約は無効とみなされる場合があり、トラブルの原因となります。

これは絶対にやめたほうがいいです!
許可が必要な場合の次のステップ
もし建設業許可が必要な場合、次に行うべきことは許可取得の準備です。申請には資格要件や財務基盤など、いくつかの条件を満たす必要があります。これについては、次のセクションで詳しく解説します。
建設業許可の取得は、法律を遵守するだけでなく、事業の信頼性を高める重要なステップです。自社が許可の対象となるかどうか、しっかり確認して進めましょう。
建設業許可を取得するメリットとは?
建設業許可を取得することは、単に法律を遵守するためだけではありません。許可を取得することで得られるさまざまなメリットは、事業の成長や安定した経営に直結します。本章では、建設業許可を取得することで得られる具体的なメリットについて解説します。
信頼性の向上
社会的信用が高まる
建設業許可を取得している企業は、国や自治体からその業務遂行能力が認められているという証明になります。このため、顧客や取引先からの信頼性が大幅に向上します。
競合との差別化
許可を取得している企業は、無許可業者と比べて明確な優位性を持つことができます。特に顧客が慎重に業者を選ぶ場合、許可の有無が大きな決定要因となります。
信頼性がもたらす具体的効果
- 見積もり時に顧客からの信用を得やすくなる
- 大型案件や官公庁案件での受注可能性が高まる
- 口コミや紹介が増える
受注チャンスの拡大
官公庁工事への参入
建設業許可を持つ企業は、官公庁や自治体が発注する公共工事に参加する資格を得られます。これにより、安定した受注源を確保することが可能になります。
高額工事の受注が可能
許可を取得することで、金額制限を超えた工事を請け負うことができます。これにより、収益性の高い大型プロジェクトにも参入できるようになります。
業務提携や協力の拡大
建設業許可を持つことで、他の許可業者との提携や協力がしやすくなります。これにより、共同で大規模な案件に挑むことが可能になります。
安定経営の実現
リスクの軽減
許可を取得することで、法律違反のリスクを回避できるだけでなく、取引先からの契約解除や信頼低下といったトラブルも防ぐことができます。
長期的なビジネス基盤の構築
信頼性と受注力を高めることで、事業の安定性が向上し、長期的な成長が可能となります。
従業員のモチベーション向上
許可を持つことで、従業員も会社の信頼性を実感し、安心して働ける環境が整います。
許可取得を成功させるために
許可を取得することは、企業の信頼性や成長性を高める上で非常に重要なステップです。しかし、そのプロセスには一定の時間とコストがかかります。効率的に取得手続きを進めるためには、専門家に相談することも選択肢の一つです。
建設業許可を取得することで得られるメリットを最大限に活かし、事業の成長に繋げていきましょう。
建設業許可の取得に必要な条件とは?
建設業許可を取得するには、いくつかの具体的な条件を満たす必要があります。このセクションでは、建設業許可の取得に必要な「資格・経験・財務基盤」といった主要な要件について詳しく解説します。
必要条件の全体像
建設業許可を取得するためには、以下の要件が主に求められます。
- 経営業務の管理責任者がいること
- 専任技術者の配置
- 財務基盤の基準を満たすこと
- 欠格要件に該当しないこと
これらの条件は、それぞれの事業が法令を遵守し、確実に工事を遂行できる能力を持つことを保証するためのものです。
経営業務の管理責任者がいること
経営業務の管理責任者とは、建設業における経営を適切に運営するための知識や経験を持つ人物のことです。
- 要件:5年以上の建設業での経営経験、または取締役としての経験が求められます。
- 証明方法:履歴書や在籍証明書などの提出が必要です。
経営業務の管理責任者の有無は、事業の運営能力を判断する重要なポイントです。
専任技術者の配置
専任技術者とは、工事を専門的に管理・指導できる資格や経験を持つ人を指します。
- 資格の例:
- 1級建築士や2級建築士
- 土木施工管理技士(1級、2級)
- 経験:
- 指定された工事種別において10年以上の実務経験がある場合も認められます。
- 配置条件:
- 常勤で事業所に勤務し、他の業務との兼務が認められません。
専任技術者の配置は、工事の品質と安全性を確保するために必要不可欠です。
財務基盤の基準を満たすこと
建設業許可を取得するには、企業の財務的な安定性も重要な要件となります。
- 基準:
- 純資産額が500万円以上であること。
- 預金残高証明書や決算書の提出が必要です。
- 注意点:
- 新規事業者の場合、法人設立時の出資金や預金残高証明書で資産状況を証明します。
財務基盤の安定性を証明することで、取引先に信頼を与えることができます。
欠格要件に該当しないこと
建設業法では、以下の条件に該当する場合、許可の取得が認められません。
- 過去5年以内に建設業法に違反した履歴がある場合。
- 反社会的勢力と関わりがある場合。
- 経営者や取締役が禁固以上の刑を受けた場合。
事業の健全性を維持するため、法令を遵守する姿勢が求められます。
許可取得までの流れ
- 事前準備:必要な書類を整える。
- 申請手続き:都道府県または国土交通省に申請。
- 審査:条件を満たしているか審査が行われる。
- 許可の取得:審査を通過すると許可証が発行される。
建設業許可の取得は、事業の信頼性を高めるための重要なステップです。自社の状況を確認し、専門家のサポートを活用することでスムーズな手続きを目指しましょう。
許可取得後に特に注意すべことは?
建設業許可を取得した後も、継続的な管理と法令遵守が必要です。許可を保持するためには、更新手続きや日々の事業運営における適切な対応が求められます。この章では、許可取得後の具体的な注意点について解説します。
許可の更新手続き
建設業許可は、一度取得すれば永久に有効というわけではありません。通常、許可の有効期間は5年間であり、この期間を過ぎると失効してしまいます。以下は更新手続きの詳細です。
更新時期:許可の有効期限の30日前までに更新申請を行う必要があります。
- 必要書類:
- 更新申請書
- 決算報告書(直近5年分)
- 現況確認書類(専任技術者や経営業務管理責任者に関する情報)
- 注意点:期限内に更新手続きを行わない場合、再取得が必要になり、その間の事業継続に支障をきたす可能性があります。
毎年の事業年度報告義務
建設業者は、毎事業年度終了後、以下の報告を都道府県または国土交通省に提出する必要があります。
- 報告内容:
- 工事の受注実績
- 決算に関する書類
- 専任技術者の配置状況
- 目的:事業の健全性や許可条件の遵守状況を確認するため。
未提出の場合、罰則や許可の取り消し対象となることがあります。
違反リスクを防ぐためのポイント
建設業許可を持つ企業は、以下のような点に注意することで、法令違反やトラブルを回避できます。
- 契約内容の明確化
- 工事の請負契約は、書面で明確に取り交わすことが求められます。
- 契約内容をあいまいにすると、後の紛争や違反行為に繋がる恐れがあります。
- 業種の範囲を守る
- 許可を取得した業種以外の工事を請け負うことは法律違反です。
- 新たに業種を追加する場合は、追加許可の申請が必要です。
- 適正な工事管理
- 専任技術者が常駐し、工事の品質と安全を管理することが義務付けられています。
- 現場ごとに適切な管理体制を構築しましょう。
- 反社会的勢力との関係排除
- 許可を持つ企業は、反社会的勢力との関係を厳格に排除することが求められます。
- 問題が発覚した場合、許可の取り消しや行政指導の対象となる可能性があります。
許可の取り消し事例
過去には以下のようなケースで許可が取り消された事例があります。
- 偽造書類を使用して許可を取得した場合。
- 法令違反が繰り返された場合。
- 許可条件(財務基盤や専任技術者の要件など)を満たさなくなった場合。
許可を取り消されると事業運営に大きな支障をきたすため、適切な運営を徹底することが重要です。
許可を維持するためのサポート活用
建設業許可の更新や報告義務、日々の管理は、専門的な知識が求められることも少なくありません。サポートを活用することで、負担を軽減できます。当事務所でも建設業許可申請に関するサポートをさせていただいております。どうぞお気軽にご相談ください。

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